イラスト
小説
ひとくちこぼれ話
私はぬいぐるみや人形で遊ぶのが好きな子供でした。
毎朝うさぎのぬいぐるみに話しかけ、頭を撫でてキスをし、寝るときは布団をかけてやり、
まるで我が子のように可愛がっていたのを覚えています。
ある日、兄がゲームで遊んでいるのを横からじっと見ていました。人形たちが夢の中で戦うゲームです。
そこではキャラクターがまばたきをして、息をして、拳を振り、カメラに向かってポーズを決める。
画面の中で息づく彼らを見て、幼い私はこう思いました。「この子たちは生きているのだ」と。
次第に、私は絵や小説を書くようになりました。
テレビの中や紙の上で戦い、迷い、苦悩する彼らを抱きしめ、「君たちは素晴らしい!」と励ましにいくために。
頭の中の空想を現実にするために。
私は、見た人が思わず「本当にあるのかも」と胸を膨らませてしまうような、身近で夢のある世界を描きたい。
あふれんばかりのエネルギーや愛情をみんなに分けてあげられる、そんな作品を創りたいと思っています。